水無月講実施

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2011-06-26 水無月講 NIKON 005.JPG 6月26日に開催した江戸連恒例の投扇興もこれで三回目を迎えた。場所は例年通り堀切菖蒲園・静観亭。ここは江戸時代から菖蒲の名所として名高い所。今はもう盛りは過ぎたとはいうものの、まだまだその美しさを楽しませてくれた。

 投扇興の主戦場は静観亭2階にある50畳超の和室。今回は、日経新聞に掲載された「投扇興」の写真に引かれて江戸連に加入した3人の新会員をはじめ26人(うち会員外が9人)が参加した。のっけから手習い(0点)やコツリ(マイナス1点)が続出、たかが扇を投げるだけと思われた投扇興の難しさと奥の深さに、皆々恐れ入った感じ。

 試合は籤引きの番号によるトーナメント方式。一回戦は、宮田(30点)・杉(27点)・仲下(25点)・山下(23点)・寿々方(23点)さんらが高得点で勝ち残った。二回戦では仲下対杉戦が接戦となり、第一回優勝者の仲下さんが最終投で痛恨のコツリを出し8対9で敗退。一方第二回優勝者の林さんは31点(この日の最高点)を叩き出し、和服姿で臨んだ五十嵐さんに貫禄勝ちした。第三回戦は新実対杉、宮田(夫)対宮田(妻)及び寿々方対林の対戦になった。新実代表が早蕨(10点)の一投で勝利、また宮田夫婦対決はご亭主が着実に加点をして17対4で勝ち亭主の威厳を保った。林さんは大技はないものの堅実に加点し、寿々方さんに圧勝した。

 そしていよいよ準決勝。新実対宮田と林対圓山(初登場)の対戦になったが、宮田さんが23対22という1点差で新実さんに勝利、また林さんは25対9で圓山に圧勝。決勝戦は宮田対林という予想外の対戦になった。8投まではともに14点と競り合っていたが、宮田さんが9投目に明石(15点)の大技を決め30対15で勝利し、新チャンピオンの誕生となった。

 ただ前回は40点や50点超えが6回も出ていたことに比べると、いささか低レベルの戦いに終始した感じは否めない。次回までに江戸連全体の投扇のレベルアップが強く望まれる大会でもあった。

圓山 稔



集合写真.jpg 懇親会は京成線「堀切菖蒲園」駅近くにある件の寿司の名店で開催。16名限定と情報が流されていたが、狭い階段の踊り場で履き物を脱ぎ2階のお座敷に上がって納得。ぴたり16名しか納まらない狭さである。新入会員で今日が初お目見えの女性3名からの「私たちも参加したい」との申し出に幹事が苦渋のご返事していたのもなるほどごもっともだ。

 時節柄エアコンを止めたお座敷で、優雅な遊びに暑さも忘れ夢中になって興じていたのが、ここへ来て皆さん俄然喉の渇きを覚えたらしい。ビールビールと急かすこと急かすこと。ギンギンに冷えた瓶の栓がポンポン抜かれ次々と空になってゆく。

 先ず巻物4品の皿盛りとあら炊きをつまみながら、ビールが潤して皆さん少々落ち着いたところで、おつまみの刺身盛り合わせ大皿が出た。生きの良い寿司ネタを惜しげもなく盛りつけて目でも味わい舌で味わいしばし陶然。飲み物を焼酎に変えて投扇興のあれこれを歓談している内に、待望の握り寿司盛り込みの桶が出てきた。ほどよいシャリに乗ったこの季節の江戸前を感じさせる生きの良いネタはおおぶりでいかにも美味い。

 お開き後、1階のカウンターで熱燗などやりながらもう少しつまんで行こうと思ったのが甘かった。来たときは客などいなかった1階席は客で埋まり表に空きを待つ列が出来ていた。

山下 武彦


 

▼投扇興(とうせんきょう)
扇.jpg投扇興とは日本の伝統的対戦型ゲームの一種である。桐箱の台座上に立てられた「蝶」と呼ばれる的に向かって扇を投擲し、その扇・蝶(的)・枕(台座)によって作られる形を判定することにより点数を算出し、その高低を競う。
扇.jpg由来の一つとして木枕に蝶が休んでいる所に扇を投げつけた所その蝶と扇が舞い、木枕に乗る様子がおもしろいとしたというものがある。
扇.jpg江戸時代にお座敷芸として開発され明治時代まで頻繁に行われたが、その後一度廃れた。
扇.jpg戦後において雅であるということにより復興され、平成になってからテレビなどでも取り上げられるようになった。