代表挨拶
江戸連代表理事 新実 由無 6分28秒
来賓紹介
高橋敏氏 4分1秒______ __長崎楽会 3分8秒
民族文化の会 4分37秒
日本人の姿を語りつぐ会 2分45秒___藤澤茜氏 1分27秒
旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会 1分39秒
コスメック研究会 2分16秒
正式な団体名やお名前はビデオの中で紹介しています。
記念講演
初代代表理事 平松 齊氏
講演1 14分53秒
講演2 7分49秒
十周年記念誌発刊報告
江戸連理事(機関誌担当) 長谷田 一平 9分12秒
落語「片棒」
花伝亭長太楼
____落語1 14分56秒
____落語2 10分16秒
謡曲「鶴亀」 8分18秒
シテ 吉田誠男
ワキ 長谷田一平
地謡 圓山稔 一坂洋三
江戸がたり「名ごりの夢」
蘭医桂川家に生まれて
寿々方
____江戸がたり1 14分32秒
____江戸がたり2 3分56秒
尺八
「お江戸日本橋」「宵待草」「芸者ワルツ」「冬鳥」
杉森酔山
____尺八1 12分57秒
____尺八2 3分59秒
ビールの並んだテーブルを横目で見ながら、「あと三枚」などと長谷田理事の掛け声に励まされ、記念写真のカメラのレンズに格段の笑顔を向けること数分。そして吉田理事の切れの良い乾杯の音頭でいよいよ宴が始まる。よくぞビールがありにけりとその喉越しの気持ち良さ。(ほんまに生きててよかったわー)と心で叫びながらしばし放心する。
ケイタリング料理とはいえ、揚げ物が少なく手作り感あふれたヘルシーな「マダム石島」の料理に、台所を仕切る女性たちの厳しい目も納得の満足感で食が進む。珍しくデザートも余るほどに充分だった。あえて言えば少し卵料理が多かったかも。コルステロールが・・・と気にする年齢が哀しい。そういえばこの「マダム石島」は数年前に江戸連でお願いしたことがあったそうで、その頃お元気だったマダムが挨拶をされたとか。その時の写真を新実代表がたまたま持っておられた。マダムは亡くなられ、来ていた跡継ぎの息子さんが写真を見て感無量になり、是非にと写真をお持ち帰りになったようだ。宴の前にそのような心打つ場面があり、益々宴の期待感があふれる。天の配剤による感動が用意されているに違いない。感動は人との出会いにあることを最近しみじみ思う。まったく世間は狭い。江戸時代は社会という言葉はなかった。あったのは世間という言葉である。明治になって英語のソサエティを翻訳して社会という言葉が作られた。でも日本人にとっては世間の方がなじみやすい。阿部謹也氏によると形ある世間、形のない世間があるという。趣味や目的を持った連のような世間は形ある世間といえる。形のない世間は地縁、血縁に覆われた世間といえようか。一般に世間といえばこちらを指すようだ。世間が広い、世間が立つ、世間に顔向けができない、など全ての生きる指針は世間の中にあった。そこには何かと煩わしいしきたりもあったことは確かである。世間に背を向けて生きる主人公を夏目漱石などが多く登場させている。でも日本人はその中で成長し、ぬくもりのある人間関係を育んできた。そういう意味の世間がなくなったのはいつ頃なのだろう。多分戦前までは(日露戦争とちゃいまっせ)存在したと思える。いやもっと昭和60年頃までそれらしき価値観はあった。ある説によると1964年の東京オリンピックを境にして、大きく人々の生活スタイルが変わったという。人と交わらない気楽さになだれ込んだ。世間は水増しされたお酒のように薄く味のないものとなった。それからおよそ半世紀近くが経ち、反省が生まれつつある。望んできた気楽さに不安を覚えてきたのだ。もっと人間は結びつく必要があるのではないかと。趣味や目的を持って集う世間に、崩れてしまった形のない世間の役割が課せられた。江戸連は江戸という共通の興味のもとに縁が結ばれているゆかりある人々の集いと共に、人生を共有する友人を得る場所として魅力ある会になりつつある。江戸時代の連からさらに進化し現在の日本社会が求めている、新しい世間のモデルを見るような気がした。(もうちょっとワインがあったら言うことないんやけど)と独り言。
「宴たけなわではございますが」司会の白石理事の呼びかけで、仙台からはるばる駆けつけられた野津理事の江戸3本締めで締める。10周年記念行事の宴は無事終りを告げた。
“のこり香に ひとのぬくもり 春立つ日” (白石広子)